肥満 4
− 目標達成 −
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こんなにスリムになりました。 |
2006年12月24日(日)〜12月29日(金)
ちょっとムッとした事もあり(うまく乗せられたような…)、ショックだった事もあり、給餌量を4.5g(ペレット4.0g、皮付き餌0.5g)に減らした。
チェリーはお腹がすいているせいで、朝は放鳥しても一通り巡回を終え、餌の準備ができたと見るやすぐにカゴに帰ってくるようになった。
夜、帰宅したときにはすべて食べ尽くされている。チェリーがどんなにかお腹をすかせているだろうかと、おちおち残業もしていられない。しかし、年末の追い込み時期でどうしても遅くなってしまう。21時には帰宅するようにしたが、チェリーの顔を見るまでは気が気ではない。
「あー良かった、生きてたぁ〜」
と初めのうちは思ったのである。・・・しかし、次第に、
「なんだ、こんなちょっとの餌でもちゃんと生きてるじゃん。」
と突き放したように見つめている自分がいた。
それでも、切ない事には変わりはなく。
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そして、それは12月26日の事。
21時に帰宅すると、やはりチェリーは完食していた。
両隣では、ヤッピーとサブレが、がっつくように食べ始めた。チェリーもご飯を食べようと下りてきたものの、餌入れは空っぽだ。
「ない、ない、ない・・・」とチェリーは餌入れを覗き込んで、おろおろと右往左往した。
そして、「どーせ、ないんだもん」とばかりに、プイッと上の止まり木に移動すると、何事もなかったかのような顔をして平静を装った。
しかし、それもつかの間。すぐにまた下りてきて、餌入れの下や隙間にこぼれ落ちた餌がないかと血まなこになって探し始めた。
可哀想で見ていられなかった。
早々に放鳥タイムにすると、ひとしきり水浴びを楽しんだ後、チェリーはヤッピーを引き連れて鳥かごの間に落ちている餌の拾い食いを始めた。チェリーは必死だが、ヤッピーはお遊びモードで楽しんでいる。
適当なところで追い払い、夜食のペレットを出してやった。
当初、正確な食餌量が測れなくなるので放鳥タイムのオヤツは自粛していたが、2羽が仲良く一緒に食べる唯一の機会を奪っても可哀想だと思い直し、復活させていた。
要は痩せればいい訳で、そうきっちり測れなくても良かろうと、出した量の半分強をチェリーが食べていると見なす事にした。
あっという間に食べ終わってしまう量だが、それでもヤッピーもチェリーも大喜びだ。
この日、体重は30.5g、ようやく減少の兆しが見え始めた。
2006年12月30日(土)〜2007年1月5日(金)
年末年始の休暇は、北陸の実家で過ごした。ヤッピーは、何度帰省してもこの家になじまない。チェリーも右に倣えで、“借りてきた鳥”状態である。
稀に見る暖冬で、持参したヒーターで十分な暖かさが確保できた。夜間は、オイルヒーターを弱設定でつけておいた。
減量中は、過保護なくらいに保温してやらないと心配だった。
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ボクのお腹、どうかなぁ? |
なれない環境のせいで食べるペースが目に見えて落ちたため、今がチャンスと、さらに減らして給餌量を4.0gにした。
さすがに、まだ皮付き餌を取り上げるのは可哀想に思えたので、ペレット3.5g、皮付き餌0.5gとした。
この間の体重は概ね30.0g、一度だけ29.5gの日もあった。
申し分のないペースだ。
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2007年1月6日(土) 4回目の診察
冷たい雨と風の荒れ模様の天候。
使い捨てカイロを入れても移動中の保温に不安があり、キャリーをフリースで包んでからバッグに入れ出かけたのだが、これが功を奏した。移動中、暗くて餌が食べられなかったのだ。
体重は29g。
「うわぁ〜やったー!」
先生は、チェリーのお腹をチェックして、
「お腹と脇腹、胸とまだ若干の脂肪はありますが、ピンク色にお肉の色が透けて見えてきました。この程度なら、問題ありません。チェリーちゃんは、もう今日で終わりでいいでしょう。」と言ってくださった。
「ちぇーちゃん、良かったね〜、ガマンしたもんねー。」思わず、チェリーに声をかけた。
まさか、こんなに早く終わると思っていなかった。
嬉しい反面、ダブル通院もこれで終わりかと思うと、ちょっと寂しい。
チェリーの最適体重は29-30g、これ以上太ると脂肪に、これより痩せると筋肉が落ちてしまうそうだ。
餌の量は、今の4gを維持して良いという事で、ほっとした。いくらなんでも、3gはキビシイなぁと思っていたから・・・。
しかし、29gといっても、道中食べられなくてというのもあったから、安心はできない。
その後…
ダイエット終了というと、何だかすごく開放された気分になったが、与える量は変わらないから、結局はそれまでと同じ生活だ。
変わったのは、もうお薬を飲まなくてもいいという事だけだ。
“可能であればペレット100%に”という事がまだ達成できていなかった。
もともと、ペレットも好きな子であったから、さほど難しいことではないと思っていた。何かとストレスが多いので、ずっと皮付き餌を残したままにしていたが、ここで最後の目標を達成してもらうことにした。
皮付き餌の0.5gなんて、実は数えるほどにしか粒がない。
しかし、減らせば減らすほどにチェリーは皮付き餌に執着した。ほんのちょっとそれがあるだけで、かえって“もっと食べたい”思いが強まってしまっているのではないか、という気もしていた。
ペレットしかもらえなくなって、一時、チェリーは落ち着いたように見えた。
ペレットだけになると、お世話の手間も楽になった。
フンの状態も変わってきて、大きくてくっつきやすいフンになった。ケージの床のフン切り網にくっついて下に落ちなくなってしまったので、網は外してしまうことにした。
ヤッピーは皮付き餌をまだもらっていたから、チェリーは羨ましくてならないようだった。すぐにヤッピーのカゴに入り、それをもらおうとしていた。
しかし、自分は皮付き餌を食べられない事を知っているようで、いじらしかった。
食餌制限によって、チェリーはすっかり性格が変わってしまったようであった。
かつての気の強さが影をひそめ、いつも伏し目がちにおどおどするようになった。
そんなチェリーを見るのはつらかった。
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あっ、ご飯だ! |
ヤッピーも完全にペレットに切り替えた後は、ふっ切れたようで、チェリーらしさも少しずつ戻
ってきた。
体重は30gを越えないように維持した。
ペレットを4g測る際も、気持ち少なめにしないとすぐに体重が増えてしまう。
休日、放鳥タイムが長い日は、食餌量の把握が難しく油断できない。
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それにしても、こんなに太りやすい体質の文鳥がいるなんて、思いもよらないことであった。鳥が肥満になるというのは、食餌内容に問題があるからだと、ずっと思っていた。
もちろん、夜が遅いという飼い主の生活習慣の問題もあっただろう。しかし、これまでずっと同じような生活の中で飼育してきた小鳥たちの中で、こんなに太ってしまったのはチェリーだけである。
ヤッピーもチェリーと同居し始めたとき、一時的に31gまで太ったことがあったが、体調不良で一旦痩せてからは、28gを越えることはない。
夜遅くまで仕事をしている人は小鳥を飼う資格もないのかと、一時期落ち込んだが、チェリーはこういう子なんだと割り切れば気は楽である。
この子は一生、こんな生活なのかと思えば切ないが、如何に太らせずに楽しく暮らしてもらうかを考えるのも、考えようによってはいい楽しみかもしれない。
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